寛容

あなたの心を、できうる限り人々に向かって広げてください。大海のように。信仰によって力を得て、人々に愛情をもってください。傷ついた心に、あなたが無関心のままでいたり、手を差し伸べないままであったりすることがないように。

よいものには、そのよさに対して拍手を送ってください。信仰する人々には誠実でありなさい。信仰をもたない人々には穏やかに接しなさい。彼らの憎悪、嫌悪が溶け去ってしまうように。いつでも彼らにとって救い主のようでありなさい。

最も輝かしい道で、最も重大な宣言を携え、天からのメッセージを伝えていく道において、預言者の後に続いていることを忘れないでください。このどれ一つも手にすることのできないでいる人々のことを思い、情け深い人であってください。

悪は、善でもって遠ざけてください。人々の無作法な振る舞いを気にかけないでください。人はみんな、その行動に、自分の性格を反映させるものです。あなたは寛容という道を選び、道徳を知らない人たちに対しても、寛大であってください。

愛情を好み、敵意に対しては敵対しているということは、信仰によって力を得る心の、最も分かりやすい特徴です。皆に対する嫌悪とは、心がシャイターンに奪われてしまうこと、あるいは狂気のなす業です。あなたは人を愛してください。人間性というものに心を魅かれるようになってください。

気をつけてください。一度たりとも自己の欲望の仲裁人になってしまってはいけません。そうすると、あなた以外の人は皆罪を負っていて、皆不運だということになります。これは、人格の破滅と表現されうるものです。あなたは自己の欲望に対して厳しくあってください。そして、他人に対しては誰よりも穏やかであってください。

人々のどのような行動が、あなたに彼らを愛させるのか、どのような行動によって彼らがあなたの目に素敵だとうつるのか、注意してください。同じことが、あなたも愛され、気に入られる要因になり得るということを忘れないでください。いつでも人間らしく振る舞い、慈しみ深くあってください。

主の、あなたに対する振る舞いを規範とし、人々に対してもそのように振る舞ってください。そうすればあなたは人々の中においても主と共にあり、双方に対して、孤独という恐ろしい事態から救われるでしょう。

創造主の目から見てあなたがどのようであるかということを、あなたの心のうちで主の為に取り分けられた場所と比較し、人々の中であなたが占めている位置と、彼らに対するあなたの態度をも比較してみてください。あなたの主に対して一瞬たりともうかつな態度をとってはいけません。人々の中においては、一介の人であるべきです。

信仰を持つ人々が、あなたに悪意を持っているとしか思えなくなった時、それが誤った判断であり、認識不足、自己の薄弱さ、精神の程度の低さからもたらされるものであることを認識してください。そしてすぐに、心を高揚させ、涙を流させる、アッラーへ思いをはせてください

人々の間で愛情と尊敬を守るため、愛する時は主のために愛し、憎む場合も主のために憎んでください。主に対して心が開かれた人となってください。