逸脱
これまで、「メフリカ王女」(カーフ山に入るといわれる、想像上の姫。非常に美しいとされている)のために、未知の世界へと帆を揚げて旅立ったことが何度あったことだろう。しかし、熱情にかられて砂漠に至ったレイラ(悲恋の物語に出てくる女性)を見つけることもできなければ、出発した岸へ戻ることもできなかったのだ。
一つの集団が、自らの精神基盤から遠ざかるにつれて、ものの見方にも変化が出てくる。価値の基準も根底から覆される。このような集団では、聖戦が「残虐行為」と呼ばれ、抑圧が「正義」と名づけられる。歴史に呪いを残す。その時代の不快な有様を天にも至らせる。美徳はひどい待遇を受け、恥知らずであることが普通と見なされ、純潔さはあだを返される。図々しさは自然なことと見なされる。人々と、そして過去と結びつきを保っていることは最も低級なことであるかのように非難される。そして基盤を持たず根無し草のようであることや、そういった人々がまさにのさばるようになるのだ。
異性と親交を結びたいという執着、常に一緒にいたいという熱望は、弱さのしるしであるか、本質における悪い状態、もしくはその性における特質を自分も持っているという証拠である。
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